メインコンテンツへスキップ
メインコンテンツへ

マイナポータルで資格をデジタル化してみた:行政書士・宅建士・社労士の連携に挑んだ奮闘記

相続

執筆者: 浦松 丈二

監修者: 浦松 丈二

士業のパンパンな財布とマイナンバーカードの奮闘記 このコラムでは、私、浦松丈二が行政書士(登録番号:25087022)・宅建士(東京第293544)・社労士(令和7年合格第202500525号)の3資格をマイナポータルで一括デジタル化しようとした実体験を通じて、2026年現在の日本のデジタル化の現状と士業の役割を解説します。

士業の先生のお財布はパンパンになりがちですが、それはどうして?

結論から申し上げますと、取得した国家資格の数だけ、それを証明するカードが増えていくからです。

キャッシュレス決済の普及により、薄くてコンパクトな財布を持ち歩く方が増えた現代ですが、私たち士業の世界では、いまだに「財布がパンパンになりがち」という切実な悩みがあります。
私の場合は、宅建士証、行政書士証票に始まり、今後追加される予定の社労士証……。もちろんクレジットカードや診察券、各種会員証なども必要です。これらをすべて財布に入れていると、まるで分厚いトレーディングカードの束を持ち歩いているかのような圧迫感を感じるのです(改札でSuicaやPASMOがほぼ反応しないのも悩みの種です)。

そんな折、先日受講した「行政書士申請取次事務研修会」の合格証が届きました。無事に合格できた喜びを噛み締めつつも、ふと「これでまた新しいカード(業界ではピンクカードと呼ばれています)が追加されて、お財布が厚くなるのか……」という一抹の不安がよぎりました。そこで私は、ある決意をしたのです。
「そうだ、マイナンバーカードに私の全スキルを集約しよう! デジタルを活用して、財布を軽くするぞ!」

マイナポータルでの国家資格のデジタル連携はスムーズに進みましたか?

いいえ、スマートフォンだけで完結すると思いきや、パソコンやカードリーダーが必要になるなどの「縦割りの壁」にぶつかりました。

意気揚々とスマートフォンを手に取り、「マイナポータル」のアプリを立ち上げました。最近は「国家資格のデジタル化」が進んでおり、対象の資格であればマイナンバーカードと連携して、スマホやPC上で公的に証明できるようになっています。

まずは「追加可能な国家資格一覧」の画面を開きます。リストの中にはしっかりと「行政書士」の文字がありました。画面の案内に従って暗証番号を入力し、ポチポチしていくだけで、あっという間に連携が完了……するはずでしたが、なんと「スマートフォンには対応していません」という無情なエラーが出たのです!

スマートフォンには対応していませんというマイナポータルのエラー画面

しかたなく、パソコンを開いてカードリーダーをセットし、マイナンバーカードを読み込ませるという作業に切り替えました。カチカチカチ……作業自体は意外と簡単で、「ついに私もデジタル化の最先端に足を踏み入れた!」という高揚感がありました。

「よし、この調子でどんどん連携していくぞ!」と勢いづいた私は、次は宅建士の連携を試みました。しかし、何度リストをなぞっても、「宅地建物取引士」の文字がどこにも見当たりません。
どうやら、管轄している省庁の違い(行政書士は総務省、宅建士は国土交通省など)や各業界のシステム改修の進み具合によって、今すぐ一括管理できる資格と未対応の資格があるようです。「同じ士業なのに、管轄が違うとこうも違うのか……」と、日本のデジタル化におけるリアルな「縦割りの壁」を身をもって体験することになりました。

社労士や運転免許証のデジタル化にはどのような試練がありましたか?

結論として、社労士はアナログな「研修期間の完了」が前提となり、運転免許証はまさかの「物理的な出頭」を求められました。

気を取り直して「次は社労士だ!」と気持ちを切り替えましたが、ここで重大な事実に気がつきました。「あ、まだ事務指定講習の真っ最中だった……」。
試験には合格したものの、社会保険労務士として正式に登録されるのはすべての研修が終わる8月の予定です。デジタル連携する以前に、まずは「修行(研修)」を終わらせなければならないという現実が待っており、社労士のデジタル化は夏までお預けとなりました。

取得した国家資格3種類のうちデジタル化できたのは1種類だけ。「それならせめて、運転免許証はデジタル化したい!」と、最後の希望を託して最近話題の「運転免許証とマイナンバーカードの一体化」へと舵を切りました。一般的な機能なのでスムーズにいくと期待して手続きを進めると、画面に無情にもこんなメッセージが出ました。

『運転免許センター等へお越しください』

「自宅にいながら完結するんじゃないの!?」と思わずツッコミを入れてしまいました。すべてをスマートに終わらせようとした私の前に最後に立ちはだかったのは、まさかの「物理的な出頭」という試練でした。

一連の体験から見えた「デジタル化の現在地」とは何ですか?

それは、「デジタルだから簡単・すべてスマホで終わる」とは一口に言えない、デジタルとアナログが入り混じった中途半端な状態であるということです。

今回、私がパソコンやスマホを前に体験したドタバタ劇は、まさに今の日本社会が抱える「デジタル化の現在地」そのものです。具体的には以下のような課題が入り混じっています。

* スマホ非対応: スマホで完結するかと思いきや、結局パソコンとカードリーダーが必要だった(行政書士)
* アナログ要件: 手続きの前に、まずはアナログな期間や準備が必要だった(社労士)
* 未対応: そもそも、システムの対象リストにすら入っていなかった(宅建士)
* 対面必須: デジタル化の事前準備として、結局は窓口での対面手続き(物理的な出頭)が求められた(運転免許証)

この「デジタル化といいながら面倒なもの」が入り混じったバラバラな状態こそが、多くの事業者様や一般の方々がオンライン申請やデジタル手続きの最中に戸惑い、つまずいてしまう最大の原因なのです。

今回の奮闘記を通じて、士業としてどのようなことに気づきましたか?

中途半端なデジタル化でお客様が戸惑う今こそ、日頃から複雑な手続きと向き合っている私たち士業が「ナビゲーター」になるべきだと強く再認識しました。

実は、日本行政書士会連合会は、デジタル庁と「誰一人取り残されないデジタル社会」実現のために連携協定書を締結しています(※青字部分をクリックするとリンクが表示されます)

。私たち行政書士は、国のデジタル推進を現場で支える役割も担っているのです。

私の「お財布スリム化計画」は、運転免許センターへの遠征や社労士登録の時期の都合上、現時点ではフルコンプリートには至らず、しばらく「おあずけ」が続きます。
しかし、行政書士証票が無事にデジタル連携できたことで、ほんの数ミリですが確実にお財布は薄くなりました。

何より、「デジタルとアナログの谷間」を自ら体験したことで、デジタル分野でのサポートの重要性を再認識できました。
「デジタル化やAIによって仕事がなくなる」といわれる士業ですが、中途半端なデジタル化は新たなニーズを生み出しているようです。どうか昔ながらのアナログで複雑な手続きのお悩みも、デジタルならではの新しい悩みも、すべてまとめて私どもにお任せください! 今なら、いつも以上にお悩みに深く共感できるような気がします。
*
*
(専門家として「みんなの記事監修」に登録しています。)

ゼヒトモ内でのプロフィール: 四葉行政書士事務所/四葉不動産株式会社ゼヒトモの行政書士サービス仕事をお願いしたい依頼者と様々な「プロ」をつなぐサービス


関連コラム

Cookieの使用について

当サイトでは、サービスの提供・改善、アクセス解析、不正利用防止のためにCookieおよび類似の技術を使用しています。詳しくはプライバシーポリシーをご確認ください。

詳細設定