メインコンテンツへスキップ
メインコンテンツへ

「相続は突然始まる」 松戸の行政書士・若園しのぶ先生に聞く、家族が困らないための相続の備え

相続

執筆者: 若園 しのぶ

監修者: 浦松 丈二

「相続は財産がある人の話」「まだ先のこと」——そう思っていませんか?
実は相続はほぼすべての家庭に関係し、しかも突然始まります。
今回、士業ドットコムSAMURAIの新メンバーとして加わってくださった、千葉県松戸市の行政書士・若園しのぶ先生に、2月開催の相続ミニ講座「やさしい相続のおはなし」をもとにお話を聞きました。


────────────────────────
若園 しのぶ(わかぞの しのぶ)
行政書士わかぞの事務所 代表 / 千葉県行政書士会(登録番号:25105060)

千葉県松戸市常盤平柳町にて開業。相続・終活・生前の備えに関するご相談を専門に扱う。
流山市民相談室オブザーバー、松戸市認知症サポーター・オレンジ協力員。申請取次行政書士。
行政書士のほか調理師・介護福祉士実務者研修修了・簿記3級を取得。
兵庫県出身、松戸在住28年。合唱団「瑞季」に17年所属。
────────────────────────
松戸市の行政書士・若園しのぶ先生が相続ミニ講座で解説する様子
キャプション:2025年2月開催「やさしい相続のおはなし」ミニ講座にて。ホワイトボードには「遺留分」「一身専属」のキーワードが。

そもそも「相続」とは何ですか?

結論から申し上げますと、人が亡くなったときにその方が持っていた財産や権利・義務を家族などが引き継ぐことであり、預貯金や不動産だけでなく「借金」などのマイナスの財産も含まれるため、「財産がない」というご家庭でも手続きが必要です。

【Q】「相続はウチには関係ない」という方も多いと聞きますが、実際はどうなのでしょう?

【A】相続は、人が亡くなったとき、その方が持っていた財産や権利・義務を家族などが引き継ぐことです。「ウチは財産なんてないから関係ない」とおっしゃる方が多いんですが、実はほとんど全員の方に関係する話です。なぜなら相続財産には預貯金・不動産だけでなく、借金や未払いの税金といったマイナスの財産も含まれるからです。何も準備しないまま相続が始まると、知らないうちに借金を引き継いでいた、ということも起こり得ます。

■ 相続財産の範囲(民法896条)

「被相続人の財産に属した一切の権利義務」が相続財産です。


* ▼ プラスの財産
不動産、現金・預貯金、株式・投資信託、自動車、貴金属、ゴルフ会員権 など

* ▼ マイナスの財産
借金、住宅ローン、買掛金・未払金、未払いの税金・家賃 など

※生命保険金・仏壇・墓地などの祭祀財産は原則として相続財産に含まれません。
※生命保険金は受取人の固有財産として遺産分割の対象にはなりませんが、相続税上は「みなし相続財産」として課税対象となる場合があります(非課税枠:500万円×法定相続人の数)。仏壇・墓地などの祭祀財産は遺産分割の対象外であり、相続税も非課税です。

相続手続きにはどのような「期限」がありますか?

結論として、ほとんどの場合「相続は突然始まる」ものですが、特に「相続放棄(3か月)」「相続税の申告(10か月)」「不動産の相続登記(3年)」の3つは、期限を過ぎると不利益をこうむったりすることがあるため必ず押さえておく必要があります。

【Q】相続手続きはいつ、どのように始まるのですか?

【A】ほとんどの場合、「相続は突然始まる」のが現実です。葬儀が終わって少し落ち着いたころ、「そういえば相続の手続きは?」と気づく方が多いのですが、相続には法律で定められた期限のある手続きが存在します。特に「相続放棄」「相続税の申告」「不動産の相続登記」の3つは、期限を過ぎると予想もしなかった不利益をこうむったりすることがあるので、必ず押さえておきましょう。

相続手続きの主な期限一覧(タイムライン図)

図表タイトル:相続手続きの主な期限一覧


放棄・登記・遺留分など、相続の重要ポイントにはどう対応すべきですか?

結論から申し上げますと、借金が多い場合は期限内に「相続放棄」を行い、不動産を取得した場合は速やかに「相続登記」を行い、遺言内容に納得できない場合は「遺留分」を主張するなど、状況に応じた法的対応が必要です。

① 「相続しない」という選択——相続放棄



【Q】借金が多そうで相続したくない場合、どうすればいいですか?

【A】「相続放棄」という手続きで、プラスもマイナスもすべての財産の相続を断ることができます。ただし3か月という非常に短い期限があります。相続開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。この期限を過ぎてしまうと、原則として相続したとみなされてしまいます。「あとでいいか」と先延ばしにすることが最も危険なケースのひとつです。


② 不動産を引き継いだら——2024年から「登記義務化」



【Q】不動産の相続登記が義務化されたと聞きました。具体的にどういうことでしょうか?

【A】2024年4月から、相続によって不動産を取得した場合、3年以内に相続登記を申請することが義務になりました。従来は「そのうちやればいい」と放置されるケースが多く、全国各地で「所有者不明土地」の問題が深刻化したことが背景にあります。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科される可能性もあります。不動産をお持ちのご家庭は、早めに準備を始めることをお勧めします。

※詳細は法務省の公式ページ法務省「相続登記の申請義務化について」をご確認ください。

■ 相続税の基礎控除(参考)
3,000万円 +(法定相続人の数 × 600万円)


例:相続人が配偶者と子ども2人の場合
→ 3,000万円 + 1,800万円 = 4,800万円が基礎控除額
この金額を超える遺産がある場合に、相続税の申告・納税が必要となります。

※相続税の詳細は国税庁の公式ページ国税庁「No.4102 相続税がかかる場合」をご参照ください。

③ 遺言書の内容に納得できないとき——遺留分

【Q】遺言書があっても、その内容に同意できない場合はどうなりますか?

【A】相続人全員が合意すれば、遺言書の通りでない遺産分割も可能です。また、配偶者・子・父母(第1・第2順位の相続人)には、法律で定められた最低限の取り分である「遺留分」が保障されています。遺留分を侵害する遺言書が残されていた場合、「遺留分侵害額請求」を行うことで一定の財産を取り戻すことができます。なお兄弟姉妹には遺留分はありません。


遺言書がない場合、財産はどのように分けられますか?

結論として、遺言書がない場合は、法律で定められた「法定相続分」が財産を分ける際の原則的な基準となります。

【Q】遺言書がない場合、財産はどのように分けられるのですか?

【A】遺言書がない場合は、法律で定められた「法定相続分」が原則の基準になります。相続人は配偶者・子・父母・兄弟姉妹で構成され、優先順位があります。配偶者は常に相続人となりますが、他の方は順位によって決まります。ただし、相続人全員が話し合って合意できれば、法定相続分とは異なる分割も可能です。

法定相続分の割合を示す横棒グラフ(配偶者がいる場合)

図表タイトル:法定相続分の割合(配偶者がいる場合)

少人数で行われた相続セミナーの会場全景

キャプション:少人数で和やかな雰囲気の講座。参加者からは「難しくなかった」「身近に感じた」との声も。


相続で揉めないために、今からできる備えは何ですか?

結論から申し上げますと、一番大切なのは今のうちから「ご家族で話し合っておくこと」です。財産の情報を共有し、自分の希望を伝え、万が一のときに連絡が取れる親族の情報を整理しておく——それだけで家族の負担はずいぶんと軽くなります。

【Q】相続でトラブルになりやすいケースはどのような状況ですか?

【A】意外かもしれませんが、相続で一番多いご相談は、お金の問題よりも人間関係の問題なんです。「ウチは仲が良いから大丈夫」とおっしゃるご家庭ほど、何の準備もされていないことが多いです。もめやすいパターンとしては、「不動産しか財産がない」「介護の負担に差がある」「本音が分からない・伝えていない」「相続人の数が多い」「再婚同士や連れ子がいる」などがあります。


【Q】では、今から何をしておけばよいでしょうか?

【A】特に難しいことは必要ありません。一番大切なのは「話し合っておく」ことです。財産の情報を共有し、自分の希望を伝え、万が一のときに連絡が取れる親族の情報を整理しておく——それだけで家族の負担はずいぶんと軽くなります。必要に応じて、エンディングノートの活用や、行政書士などの専門家に相談しながら遺言書を作成することも有効な手段です。


■ 今すぐ確認!相続準備チェックリスト

* 預貯金・不動産・保険などの財産をおおよそ把握している
* どうしたいかの希望を家族に聞いている、または伝えている
* 兄弟姉妹・親族の連絡先が分かる
* どこに何の書類・通帳があるか把握している(エンディングノート活用)
* 遺言書の必要性について一度考えたことがある

■ 相続でもめやすいケース(要注意)
* 不動産しか財産がない
* 介護の負担に差がある
* 本音が分からない、または伝えていない
* 相続人の数が多い
* 再婚同士、連れ子がいる、子どもがいない


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

若園先生からのメッセージ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【Q】読者の皆さんへ一言お願いします。

【A】私が相続・終活の専門家として一番お伝えしたいのは、「備えの重要性」です。と言っても大げさなことではありません。「いつかそのうち」と先延ばしにせず、今のうちからご家族で話し合っておく——それが最大の相続対策です。聞きにくいこと、言いにくいこと、避けて通りがちなことこそ、元気なうちに少しずつ伝え合っておくことを大切にしていただきたいと思います。どんな小さなご相談でも、どうぞお気軽にお声がけください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
行政書士わかぞの事務所(千葉県行政書士会)
〒270-2263 千葉県松戸市常盤平柳町8-8
TEL:047-701-8705
代表:若園しのぶ(登録番号:25105060)
ご相談・お問い合わせはお気軽にどうぞ♪
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

関連コラム

Cookieの使用について

当サイトでは、サービスの提供・改善、アクセス解析、不正利用防止のためにCookieおよび類似の技術を使用しています。詳しくはプライバシーポリシーをご確認ください。

詳細設定